■『黄土発見の地』 大阪市阿倍野区帝塚山1丁目17
古代黄土(はにふ)染め復元の研究している金子 晋氏が、万葉歌の住吉を詠んだ歌に数多く出てくる『黄土(はにふ)』はどの辺りの土で染められた『黄土(はにふ)染め』であったのだろうかと、探し歩き帝塚山のこの地でやっと見つけたとのこと。この土で黄土染めは古代から甦ったように再現がなされたという。
●アベノ~チンチン電車で姫松、そこから歩きました。アベノ神社の南の参道の入口辺りになります。

清江娘子(すみのえのをとめ)
巻01-0069
草枕旅行く君と知らませば岸の埴生(はにふ)ににほはさましを
この歌は、「長皇子」に送った歌で、「長皇子の御歌」は、この歌の返歌になる
【通釈】ご旅行中のあなたさまと存じておりましたなら、断崖の赤土であなたさまの魂を染めてさしあげましたのに。※岸の黄土(埴生) 断崖の赤土。きめの細かい黄赤色の粘土。瓦・陶器の原料。また、上代には衣にすりつけて模様を現すのにも用いた。赤や黄に発色する物質は霊力を持つと考えられた。
長皇子
巻01-0065
あられ打つあられ松原住吉の弟日(おとひ)娘(おとめ)と見れど飽かぬかも
●大阪府営住宅西側(斜面)

◆車持千年
巻06-0932
白波の千重に来寄する住吉の岸の埴生ににほひて行かな
◆阿倍豊継
巻6-1002
馬の歩み抑へ留めよ住吉の岸の埴生ににほひて行かむ
◆作者未詳
巻7-1148
馬並(な)めて今日わが見つる住吉の岸の黄土(はにふ)を万代(よろずよ)に見む
◆作者未詳
巻7-1146
めづらしき人を我家(わぎへ)に住吉(すみのえ)の岸の黄土を見むよしもがも

※万葉歌によく出てくる岸の埴生を是非見たいと思っていましたが、なかなか場所を見つけられなかったのですが、今回ヤット探し当てることが出来ました。想像通りと言いますか、やはり現場は土がそのまま露出しているわけもなく、綺麗に護岸工事というか、崩落防止の工事がなされていました。以前の写真で写っている女竹の叢もなく、草も枯れたベロンとした斜めの土壁となっていました。案内板があるわけでなく、由来を知らなければ誰も『黄土発見の地』などと思う人はいないでしょうね。でも、崖(土or草壁)だけでも残っただけラッキーかもしれません。
□地図