明日香(飛び飛び)探訪(08.01.20)⑧飛鳥川の「飛び石」・・・

■飛鳥川の「飛び石」
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飛鳥川の「勧請橋」を渡らずに左(東)側の旧道を南へ辿ると、稲渕の集落へ入って、道の脇に「飛び石→」の表示がありますが、真横に行かずに、ちょっとバックするように右へ折れて、田圃の畦道を通ると、「飛鳥川」に至って、側に万葉歌碑が建っています。
巻11-2701
明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 思ほえぬかも 
卷7-1126 
年月もいまだ経なくに明日香川瀬々(せせ)ゆ渡しし石橋(いはばし)もなし
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古代においては、飛鳥川に橋はなく、また、板橋を掛けても、昔は今と違い鉄砲水が多く、氾濫を繰り返し流されるので、飛び石が橋の役目を果していました。
また、明日香川の石橋を詠った、挽歌もあります。
明日香皇女の城上(きのへ)の殯宮の時、柿本朝臣人麿がよめる歌一首、また短歌
卷2-0196 
飛ぶ鳥の 明日香の川の
上つ瀬に 石橋(いはばし)渡し 下つ瀬に 打橋渡す
石橋に 生(お)ひ靡ける 玉藻もぞ 絶ゆれば生(は)ふる
打橋に 生(お)ひををれる 川藻もぞ 枯るれば生(は)ゆる
なにしかも 我が王(おほきみ)の 立たせば 玉藻のごと
臥(こ)やせば 川藻のごとく 靡かひし 宜(よろ)しき君が
朝宮を 忘れたまふや 夕宮を 背きたまふや
うつそみと 思ひし時に
春へは 花折り挿頭(かざ)し 秋立てば 黄葉(もみちば)挿頭し
敷布の 袖たづさはり 鏡なす 見れども飽かに
望月(もちつき)の いやめづらしみ 思ほしし 君と時々
出でまして 遊びたまひし 御食(みけ)向ふ 城上の宮を
常宮(とこみや)と 定めたまひて あぢさはふ 目言(めこと)も絶えぬ
そこをしも あやに悲しみ ぬえ鳥(とり)の 片恋しつつ
朝鳥の 通はす君が 夏草の 思ひ萎えて
夕星(ゆふづつ)の か行きかく行き 大船の たゆたふ見れば
慰むる 心もあらず そこ故に 為(せ)むすべ知らに
音のみも 名のみも絶えず 天地の いや遠長く
思(しぬ)ひ行かむ 御名に懸かせる 明日香川 万代までに
はしきやし 我が王(おほきみ)の 形見にここを
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短歌二首
卷2-0197 
明日香川しがらみ渡し塞(せ)かませば流るる水ものどにかあらまし
卷2-0198 
明日香川明日さへ見むと思へやも我が王の御名忘れせぬ
by barakan1 | 2008-01-27 14:12 | 旅日記
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