蕪坂・拝の峠(2013-05-23)万葉故地⑤・・・

拝の峠(はいのと)・蕪坂
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長保寺を後に、次のポイントである拝ノ峠(はいのと)蕪坂をめざす。
165号線は長保寺から急に狭くなり、曲がりくねった坂道は舗装はされているが2・3mの幅で、対向車が来ないようにと、祈るような気持ちで運転する。急勾配の山肌は蜜柑の木で埋め尽くされ流石ミカン処である。
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九十九折りの道で写真撮影のため停まり、今、上ってきた坂道を振り返ると、急な斜面に、民家とミカン畑が共存している。先ほど見学した長保寺も見える。
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暫く走リ道が平らになり始めた頃、、四差路に出る。(沓掛・有田・黒田)の交差点である。これを右に(有田)方向に走る。
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この尾根道は比較的平で、暫く行くと、熊野古道・市坪・蕪坂、道路標識のある三叉路に出る。この辺りがが拝ノ峠(はいのと)なのだろう。(その頂上は分かり難いが・・・)この三叉路を右(有田・蕪坂)方向に進む。
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道は一層狭くなり、車一台がギリギリ通れる道幅である。ソロソロ注意深く進み、蕪坂王子の指示板を過ぎて直ぐに道幅が広くなり、三体の地蔵が現れた。その先に万葉歌碑と看板が現れた。ここが拝の峠らしい。
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蕪坂王子までの尾根道の、開けたところ(小畑)に、万葉歌碑がある。
巻07-1214
詠人不詳
安太(あて)へゆく小為手(おすて)の山の真木の葉も久しく見ねばこけむしにけり

拝の峠から蕪坂塔下王子社まで尾根道のような山腹道路が続く。下津港を臨む道筋に案内板が立っていた。
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案内板によると、拝の峠は神武天皇ご東征の折り、八咫烏に先導されたので、この名があるという。
万葉集には『木の国の昔 弓雄の鳴矢もち鹿獲りなべし坂の上にある』
とあるのを紀伊国名所図会で 『鏑矢もて鹿を射ちし坂なれば蕪坂と名付しにや、峠に茶屋あり』と鏑が蕪に変ったものと解説している。
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紀伊名所図絵によると、「小畑村(現下津町小畑)に才所という所があり、その峠は有田郡との境になっている。さいで坂が縮まったのであろう」とあり、真木とは優れた木、この歌では杉の大木と見るのがふさわしい。
一首の意味は、「有田地方へいくさいで山の杉は久しく見ない間に苔むしていた」ということである。
※対向車が来たらどうしょうもない山道で、何とか走破出来たのはラッキーでした。
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by barakan1 | 2013-05-31 15:57 | 万葉故地
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