天橋立~和田山・竹田城探訪(2015-07-26~27)・・・②

丹後国分寺跡(たんごこくぶんじあと)    京都府宮津市国分
●丹後郷土資料館          ●国分寺跡看板に立つ
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●案内板より 史跡 丹彼国分寺跡
天平13年(741)3月、聖武天皇は詔して天下諸国に僧寺、尼寺を造らせ、それぞれ金光明四天王護国之寺、法華滅罪之寺とされた。これが全国一斉に行なわれたかどうか疑わしいか、おそらく地方諸国の経済制度の整備と併行して、逐次建立されたものであろう。
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 この一帯は「丹後国分寺跡」として、昭和5年10月史跡に指定され、昭和38年買上げ整地して保存されることとなった。指定地内には、中門の礎石2個、金堂の礎石34個、塔の礎石16個か現存しているが、創建当時のものではない。創建年代は明らかでないが、出土しだ古瓦からみて、奈良時代末頃であろう。その後幾度かの興亡を経て、建武元年(1334年)に金堂が再興され、また室町の禅僧雪舟筆「天橋立図」に描かれた伽藍は、天文11年(1543年)兵火焼失前を偲ばせる。現存の礎石群はこの絵の配置と一致している。未調査のため創建時の寺域や伽藍配置は明かでない。
昭和48年3月 京都府教育委員会
丹後国分寺の主な歴史資料  『宮津市史』
●国分寺跡全景
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諸国国分寺・尼寺の建立
奈良時代の前半から中ごろにかけては、相次ぐ政権闘争や疫病の流行などの社会不安が相次いだ。天平元年(七二九)年にいわゆる長屋王の変をおこし権力を掌握した藤原四氏は、天平九年に疫病のため相次いで病死する。さらにその三年後の天平十二年には、九州の大宰府で藤原広嗣が反乱を起こしている。時の聖武天皇は同年以降、平城京から山背の恭仁宮(加茂町)、近江の紫香楽宮(滋賀県信楽町)、摂津の難波宮(大阪市)へと相次いで遷都を断行し、ふたたび天平十七年に平城京へ戻ってきている。この聖武天皇の行為は、相次ぐ社会不安のなかでこれを断ちきるための施策であったと考えられるが、一方で仏法の加護を得てこれらを解消しようともした。その施策のひとつが、天平十三年に下された、いわゆる「国分寺建立の詔」である。この詔には、国ごとに金光明最勝王経一部を安置した七重塔一基を作り、僧寺を「金光明四天王護国寺し、尼寺を「法華滅罪寺」とすること、また造塔は国のもっとも良き箇所になすこと(必撰好所)、などが述べられている。今日ではこの詔により各地に築かれた寺院を「国分寺」、「国分尼寺」と呼んでいる。つまり平城京の東大寺を総国分寺として全国六○余国に国分寺と国分尼寺が築かれることになるのである。
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 丹後国は、和銅六年(七一三)、丹波国より加佐・与謝・丹波(現在の中郡)、竹野、熊野の五郡を割き成立した。丹後国設置以後、国の政庁である国府の諸施設は、丹後における旧来の有力者の本拠地である、野田川中流域(加悦町付近)や竹野川中流域(峰山町付近)に築かれることはなく、特定の政治的意志によるものか、天橋立を見おろすことができる阿蘇海北西岸の台地、すなわち岩滝町男山付近あるいは宮津市府中地区に漸次的に建設されていったのではないかと考えられている。一般的には国分寺・国分尼寺は国府所在地およびその隣接地に造営されるが、丹後国分寺もまたその原則に従い、国分の台地上に築かれたのであろう。阿蘇海・天橋立を見おろすこの地は、まさに聖武天皇の詔にある「必撰好所」の地にふさわしい。
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府中地域は、背後に標高五四六メートルの成相山を抱え、阿蘇海までの狭小な扇状地形を流れる短い河川は、たび重なる氾濫と山崩れをおこしている。したがって当地では、集落は土石流に強い台地上に集中することになる。このような地形的制約により、この地に諸国に比して大きな国分寺伽藍を築くことは困難ではなかったかと考えられる。いずれにしても謎の多い丹後国分寺の実態を明らかにするためには、中心伽藍が所在するであろう史跡地内の発掘調査が必要であろう。ー丹後の地名地理・歴史資料集ー丹後国分寺より抜粋

※※時間がないなか、丹後郷土資料館の見学は諦め、国分寺跡の写真だけ急ぎ撮り、籠神社に向かいました(本当に残念でした) 写真クリックで大きくなります(^_^)v
by barakan1 | 2015-07-30 21:09 | 神社仏閣探訪
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